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地上デジタル放送は必要?
地上デジタルテレビ放送へ移るにあたって、全国で、地上デジタルテレビ放送を受け取る事が出来ない、地域が出てしまう事がはっきりしています。
総務省の発表では、現在、テレビを視聴している世帯の98.3%は、地上デジタルテレビ放送を受信できると言う事が、はっきりしているのですが、残りの1.7%は、山間部や離島などの電波が届きにくので、電波を送るには、中継局を建設しなくてはいけないのです。しかし、そのためには巨額の費用が必要となります。
総務大臣の諮問機関である情報通信審議会は、地上デジタルテレビ放送の電波を、送ることができない地域に対しては、別の手段を使ってでも電波を絶対に届けなくてはならないという答申を示しています。具体的には、インターネット技術で映像を配信するIP放送や、ケーブルテレビ、衛星放送などを使っての電波の配信と言うことです。
しかし、IP放送や衛星放送では、地上デジタルテレビ放送のメリットの一つとなっている、ワンセグ放送が受信できません。そのためにも、できるだけ地上デジタルテレビ放送の電波を届ける必要があります。
ですが、地上デジタルテレビ放送は本当に必要なのでしょうか・・・。
総務省をはじめ、政府関係者や家電メーカーなど関係筋は、地上デジタルテレビ放送を実施することにより、「情報化の恩恵をすべての人々に」や「放送サービスの高度化」とか、「日本経済の活性化」ができるなど、プラスの面を声高に叫んでいます。
しかし、実際にはデジタル化が決定したのは、枯渇が予想される通信用電波を確保するために、アナログ放送に使われているVHFの電波帯を停止することを国の施策として決めたからなのです。ここではあくまでも通信が主体であって、テレビはさほど重要視されていないのです。
もう一つ、地上デジタルテレビ放送になると、ハイビジョン放送がかなりきれいに映ると言われています。しかし、ハイビジョン映像は、HD非圧縮だと一四八五Mbpsあるのに対して、テレビ局が使えるハイビジョン用の使用可能帯域は、一四Mbpsです。
そのため映像を圧縮して送る必要があります。ところが、静止画ならまだしも、動画の場合、圧縮したときに解像度が犠牲となって、ノイズが発生しやすくなるのです。つまり、画像が乱れて、非常にきれいになるかどうかは疑わしいです。
さらに、地上デジタルテレビ放送はセキュリティを厳しくするので、映像を録画するのは原則として一回しか録画する事ができません。地上デジタルテレビ放送対応のHDDレコーダーに録画した内容は、持ち運び便利なDVDなどにコピーする事が出来ないのです。
このように地上デジタルテレビ放送には、放送システムが便利になる半面、不便な面もあります。そうした欠陥を残す地上デジタルテレビ放送に今すぐ移行する必然性はあるのでしょうか・・・。
さらに、デジタル放送になると、番組内容もしっかりしたものにしなければなりません。そうしないと地上デジタルテレビ放送に移行した意味がありません。ニュースなどの情報や、音楽、映画、ゲームなど今ではインターネットで十分楽しめる環境ができています。
地上デジタルテレビ放送の開始によって発生する経済効果は、約20兆円と言われています。しかし、その陰で、今までテレビから得ていた情報を遮断される人たちが生まれてしまうのは事実です。
災害時の緊急放送や災害放送などの重要な情報を遮断される人たちも確実に生まれてきます。そうした人たちの、知る権利を総務省、政府は切り捨てようとしています。それが地上デジタルテレビ放送の負の部分になります。
日本民間放送連盟は2003年にいち早く、現行の地上デジタル放送計画中止を求める特別方針を発表しています。
その要求は、「地上アナログ放送の2011年終了計画を撤回すること」と、「現行の地上デジタル放送計画を中止すること」との2点である。
特別方針のなかで、民放連は様々な面を取り上げていますが、なかでも「経済波及効果は新たな視聴者負担になる」事や、「テレビ媒体価値の低下」などは注目を引きます。
「テレビ媒体価値の低下」のなかで、民放連の研究所が発表したデータを引き合いにだして、「デジタルテレビの普及は、普及率が85%になるのは最速で2015年で、2011年のアナログ放送中止は不可能。サイマル放送機関は少なくとも九年以上かかる」と指摘しています。
さらに、デジタルテレビ受信機は、周波数変更対策の遅れや、限定された放送エリア、受信機の高価格などによって、普及の見通しはたたないと結論づけています。
また、放送事業者は多額な地上デジタルテレビ放送設備資金をつぎ込まなければいけなくて、ハイビジョンの製作費も高騰しています。そのため、それらの経費負担が番組制作費を圧迫し、番組制作費の削減を要因になって、番組の質の低下につながってしまい、視聴者や国民屁のサービスを低下を招くとしています。
その結果は、テレビの媒体価値の低下となって、広告媒体としての価値も低下し、広告収入や放送収入の逓減を来すことになると危惧しています。「経済波及効果は新たな視聴者の負担に」というテーマでは、次のように指摘しています。
総務省が地上デジタルテレビ放送を拙速に進める背景には、テレビの買い替え需要を期待する政府と、電機業界の意図が見え隠れるといいます。テレビ買い替えで40兆円、地上デジタルテレビ放送がもたらす経済効果は120兆円と言われています。
しかし、これらの数字は、電機メーカーの思惑から算出された数字であって、結局、そのしわ寄せは視聴者の負担になることはあからさまに言われていません。しかも、現在、一億個はあるというアナログテレビをいっせいに破棄した場合に、産業廃棄物処理が社会問題となる可能性も民放連は指摘しています。
そのため、結論としては、デジタル放送を視聴するか、従来のアナログテレビ放送を視聴するのかは、視聴者の選択に任せるべきだと述べています。さらに、地上デジタルテレビ放送計画の強行は、国策と称したインフラ事業にません。視聴者や国民の財産である放送文化を打ち捨て、電波資源を浪費するばかりか、視聴者や国民に大きな負担を強いるものであるとしています。
問題はまだまだります。
例えば、地上デジタルテレビ放送になると、双方向でクイズ番組を初めとする、視聴者参加番組に視聴者がこぞって参加できると謳っています。しかし、双方向の手段は電話回線です。電話回線を繋ぐということは電話代が掛かってしまいます。その電話代は誰が負担しているのでしょうか・・・。それは、放送局です。
例えば、100万世帯から同時に、アクセスがあった場合の電話代はいったいいくらぐらいになるのでしょうか・・・。放送事業者としては、双方向の番組のために双方向センターを構築する必要があります。そのうえで電話代も負担しなければならないとなってしまったら、誰が双方向番組を企画するのでしょうか・・・。
もう一つ、地上デジタルテレビ放送は多くの資金が必要となってきます。地方の放送局にとってはこの資金のやり繰りが問題になっています。地上デジタルテレビ放送を開始するには、中継局の鉄塔建設や送出設備、制作設備などで一社あたり約40億円は必要になってきます。ところが、地方の放送局の年間収入は約60億円前後です。ということは、年間収入の大半が地上デジタルテレビ放送開始のための設備投資資金に消えてしまうことになるのです。各地方放送局ともリストラや不動産などの資産の売却などを進めていますが、とっても2011年までに間に合いそうにもありません。
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